この記事は、普段から継続して練習しており、11月のフルマラソンで記録更新を狙う市民ランナーを主な対象としています。走力によって適切なペースや距離は異なるため、自分の走力に合わせて調整してください。
11月のフルマラソンまで、あと約2カ月。
夏の暑さが少しずつ落ち着いてくる9月は、本番に向けて練習の質を高めていきたい時期です。
8月までは暑くて思うように走れなかった
11月のフルマラソンに向けて、9月から何をすればいい?
そろそろ距離を踏んだ方がいい?
と悩んでいる市民ランナーも多いのではないでしょうか。
9月に大切なのは、いきなり30km走などのハードなマラソン練習を始めることではありません。
8月までに作ってきた基礎を、11月のフルマラソンで使える走力へ少しずつ変えていくことが重要です。
8月に実施すべき練習3選については別記事でまとめています。
そこで、私が11月のフルマラソンを目指すにあたって、9月に取り入れたいのが次の3つです。
①閾値走
②ロングジョグ
③距離走
この記事では、それぞれの練習の目的や取り入れ方、9月から11月までの練習の考え方について書いていこうと思います。
9月は「マラソン練習へ移行する時期」
11月にフルマラソンを走る場合、私は大まかに次のように考えています。
9月になったからといって、いきなりマラソンへ直結するような練習をする必要はありません。
むしろ9月は、「速く走る力」と「長く走る力」の両方を高め、基礎能力とレースを速く走る能力の橋渡しを行います。
そのために、
閾値走でスピード持久力を高める
ロングジョグで長時間走れる脚を作る
距離走で一定ペースを維持する力を身につける
という3方向から走力を伸ばしていきます。
ここで走力を一段階引き上げておけば、10月によりマラソンに特化した練習へ移行しやすくなります。
①閾値走:スピード持久力を高める
9月にまず取り入れたいのが閾値走です。
閾値走は、簡単に言えば「ある程度速いペースを維持して走る練習」です。
フルマラソンというと長い距離を走る練習ばかり考えがちですが、記録を狙うのであれば速いペースを維持する能力も必要になります。
9月は週1回程度から
閾値走は負荷が高いので、基本的には週1回程度で十分です。
例えば、20分程度の閾値走でもいいですし、連続して走るのが難しければ、10分×2本などに分けても構いません。
大切なのは「限界まで追い込むこと」ではなく、適切な強度で継続することです。
9月はまだ暑い日もあります。気温や湿度が高い日は設定ペースにこだわりすぎず、体感強度を優先しましょう。
閾値走を速く走りすぎない
閾値走でありがちな失敗が、頑張りすぎてレースのようになってしまうことです。速く走れば走るほど効果が高くなるわけではありません。
閾値走は、設定した強度をコントロールしながら積み重ねることが重要です。
「もう少し走れそう」くらいで終えることで、翌日のジョグや週末のロングジョグにもつなげやすくなります。
閾値走の練習方法については別記事でまとめています。
②ロングジョグ:長時間走れる脚を作る
2つ目はロングジョグです。
11月にフルマラソンを走るのであれば、9月から少しずつ長時間走ることに身体を慣らしていく必要があります。
ロングジョグの最初の段階で気を付けていただきたいのが、いきなり速く長く走らないことです。
ロングジョグの目的は、長時間動き続けられる身体と脚を作ることです。いきなりタイムを追う必要はありません。
まずは90分程度から
夏にあまり長い距離を走れていなかった人なら、いきなり20km、25kmと距離を決めなくても大丈夫です。
普段のジョグより長い90分ジョグというように、段階を踏んで距離・時間を伸ばしていけば問題ありません。
すでに十分な走り込みができているランナーなら、明確に20km以上と距離を決めてロングジョグを始めても良いでしょう。
ペースより「長く動くこと」を優先する
ロングジョグでは、普段のジョグよりペースが遅くなっても問題ありません。
特に9月前半はまだ暑いため、ペースを維持しようとすると想像以上に負荷が高くなることがあります。
9月の段階では、「何kmを何分ペースで走ったか」より、「余裕を残して長時間動けたか」を大切にします。
フルマラソンへ向けての練習では、距離からのアプローチだけでなく時間からのアプローチを大切にしましょう。
これが10月以降の距離走やマラソンペース走を支える土台になります。
③距離走:一定ペースで長く走る力を身につける
3つ目が距離走です。
距離走は、ロングジョグや中強度走で基礎ができてから取り入れます。まだ長い距離を走ること自体に余裕がない場合は、距離走を急がずロングジョグを優先しましょう。
ロングジョグと似ていますが、私の中では目的を分けています。
という位置づけです。
ロングジョグと距離走の違いですが、
| 練習 | 主な目的 | ペース目安 |
|---|---|---|
| ロングジョグ | 長時間走れる脚作り | Eペースを中心に余裕を持って走る |
| 距離走 | 一定ペースで長く走る力 | ロングジョグより速めを基本に、走力・目的に応じて設定 |
ペースの目安として、私はロングジョグはEペース以下、距離走はEペースより速いペースと考えています。
ロングジョグ ≦ Eペース < 距離走
ただし、これは厳密な境界ではなく、あくまで私が練習を組み立てるうえでの目安です。距離走のペースは走力や目的、走る距離によって調整します。
フルマラソンでは、42.195kmをできるだけ一定のペースで走り続ける必要があります。
そのため、9月から少しずつペースを維持して長く走る練習を取り入れていきます。
8月までに取り組んできた中強度走の1時間走から、少しずつ距離・時間を伸ばしていくイメージです。
中強度走の練習方法については別記事でまとめています。
最初から30km走をする必要はない
9月から30kmの距離走を行う必要はありません。ただし、走り込みができているランナーであれば、距離や時間への耐性をつける目的で、ペースを抑えた30kmロングジョグを取り入れるのは一つの方法です。
まずは、10~15km程度 → 15~20km程度と段階的に伸ばしていけば十分です。
距離が短い分、最後までフォームやペースを崩さず走ることを意識します。
9月にこうした練習を積み重ねておけば、10月に20~30kmなど、よりフルマラソンに近い練習へ移行しやすくなります。
距離走の練習方法については別記事でまとめています。
9月の1週間の練習例
例えば週5〜6日走る市民ランナーなら、次のような組み方があります。
| 曜日 | 練習 |
|---|---|
| 月 | 休養 |
| 火 | ジョグ |
| 水 | 閾値走 |
| 木 | ジョグ |
| 金 | 休養または軽いジョグ |
| 土 | ロングジョグまたは距離走 |
| 日 | ジョグ |
日曜日は疲労を確認しながら、基本は回復を意識したジョグとします。土曜日の負荷が軽かった場合は、状態に応じて距離を伸ばしてもよいでしょう。
また、1回の練習を完璧にこなすことより、11月まで継続して練習できることの方が重要です。
9月は走行距離を急激に増やさない
涼しくなってくると、夏より楽に走れるようになります。
そこで注意したいのが走行距離の急増です。
8月まで月間150kmだった人が、9月になった途端300km走るような増やし方はおすすめしません。
涼しくなって走れるようになっても、身体が急激な負荷増加に対応しきれず、故障や疲労につながる可能性があります。
閾値走・ロングジョグ・距離走を取り入れるだけでも、8月より練習負荷は高くなります。
そのため9月は、距離だけでなく「練習の質も上がっている」ことを忘れないようにしましょう。
9月から練習の質を上げるためには、8月までにしっかり基礎を作っておくことが大切です。
月間走行距離に対する走力の変化については別記事でまとめています。
9月に土台を作って10月はマラソン特化へ
9月に、
を継続できれば、10月はいよいよフルマラソンに特化した練習へ移行します。
例えば、
などです。
9月に十分な土台ができていない状態で、いきなり30km走をしても大きな負荷になってしまいます。
だからこそ、
8月で土台を作る
↓
9月でマラソン練習への移行
↓
10月でマラソン仕様に仕上げる
↓
11月に疲労を抜いて本番
という流れを意識します。
年間スケジュールについては別記事でまとめています。
まとめ|9月は「速く・長く走る力」を作ろう
11月のフルマラソンに向けて、9月に取り入れたい練習は次の3つです。
①閾値走 → スピード持久力を高める
②ロングジョグ → 長時間走り続けられる脚を作る
③距離走 → 一定ペースで長く走る力を身につける
まずはこの3つを無理のない範囲で積み重ね、10月に本格的なマラソン練習ができる身体を作ることが大切です。
11月のフルマラソンは、9月の時点ではまだ2カ月先です。
しかし、この1カ月をどう過ごすかで10月にできる練習は大きく変わります。
焦らず段階を踏んで、11月の本番につなげていきましょう。
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