はじめに
ジョグの最後に「流し」を入れているランナーは多いと思います。
ただ、
「流しって本当に必要?」
「ジョグだけではダメ?」
「何mくらい走ればいい?」
「全力で走るの?」
と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
私自身、流しは非常に重要な練習だと考えています。特にジョグ中心の練習を続けていると、どうしても身体はゆっくりした動きに慣れていきます。
そこで練習の最後に短い距離を速く走ることで、
といった効果が期待できます。
私が考える流しは、Rペース付近で50〜200m程度を走る短い疾走です。全力疾走ではありません。
「流し」という名前の通り、力まず、フォームを意識しながら気持ちよくスピードを上げていきます。
この記事では、私が流しを重要だと考えている理由と、具体的なやり方について紹介します。
流しとは?
流しとは、ジョグや練習の最後に行う短い疾走のことです。
私の場合は、Rペース付近で50〜200m程度を一つの目安にしています。
Rペースとは、ダニエルズ理論におけるレペティションペースです。重要なのは、リラックスした状態で速い動きを行うこと。スタートからいきなり全力で走るのではなく、徐々にスピードを上げ、身体全体を大きく使いながら走ります。
流しのメリットはRペース練習と近い
私は、流しで得られる効果には、ダニエルズのRペース練習と共通する部分が多いと考えています。Rペースの目的は、単純に心肺を追い込むことではありません。
主な目的は、
といった部分です。
流しも同じです。ただしRペース練習より距離も本数も少なく、負荷も軽いです。そのため私は、流しを「日常的に入れられる軽いRペース刺激」のように考えています。
①フォーム改善・ランニングエコノミー向上
流しの一番大きなメリットは、フォーム改善とランニングエコノミーの向上です。
ランニングエコノミーとは、簡単に言えば、同じスピードを、より少ないエネルギーで走る能力のことです。
流しでは短い距離を速く走るため、ジョグよりも大きな動きになります。
などを意識しやすくなります。
ただし、ここで重要なのは、速く走ろうとして力まないことです。力んで体に力が入らないようにしましょう。
流しでは、「スピードは出ているのに力んでいない」状態を目指します。
この感覚を身につけることで、フォームが整い、ランニングエコノミーの向上につながると考えています。
②体を速く動かす神経系に刺激が入る
二つ目のメリットは、速い動きに身体を慣らすことができる点だと考えています。
ジョグだけを続けていると、身体はどうしてもゆっくりした動きに慣れていきます。
ジョグでは使わないような速い動きを定期的に取り入れることで、脚の切り替えや腕振りなど、速いペースに必要な動きを確認できます。
そこで練習の最後に流しを入れることで、「速く身体を動かす」という刺激を神経系に入れることができます。
これはとても重要です。
走力を上げるためには、心肺機能や脚筋力だけでなく、身体を速く、効率良く動かす能力も必要だからです。
特にフルマラソン中心の市民ランナーは、長い距離やジョグに偏りやすいため、流しを実施し速い動きを取り入れるとレベルアップへ効果的です。
③スピード感覚が向上する
三つ目のメリットは、スピード感覚を維持・向上できることです。
目標タイムが上がっていくほど、ジョグより速いペースでレースを走ることとなります。
普段から流しを入れておくと、速い動きに身体が慣れてくるというメリットがあります。
流しを繰り返していると、「このくらいのスピードなら自然に動ける」という感覚が少しずつ身についてきます。
私は、このスピード感覚が、その後のRペース・Iペース・レースペース練習にもつながると考えています。
流しはジョグ後に入れるのがおすすめ
私は、流しはポイント練習としてではなく、基本的にはジョグ後に取り入れることをおすすめしています。
流しは距離も短く、本数も少ないため、疲労を残しにくいです。
そして、速い動きへの刺激を繰り返し入れることができるからです。
例えば10kmジョグをした後に、サクッと100m流しを3本するだけで速い動きへの刺激を入れることができます。
流しは全力ではない
ここは非常に重要です。
流しは、全力疾走ではありません。
私はRペース付近を一つの目安にしますが、100%のスプリントをする必要はありません。
「流し」という言葉の通り、リラックスしたまま自然にスピードを上げていくイメージです。
感覚としては、
という形で十分です。タイムも測る必要はありません。
重要なのは、速く走れたかではなく、速い動きを力まずできたかです。
流しの距離は50〜200m程度
流しの距離は、50〜200m程度で十分だと考えています。
距離が短いほど、動きやフォームを意識しやすくなります。
流しに慣れていないランナーでも走れる距離から取り入れることができます。
本数は2〜5本程度
本数は、2〜5本程度を目安にします。
ジョグ後に速い動きを入れ、繰り返し実施することが大切です。
ポイント練習のように「今日はしっかり追い込んだ」という感覚はありません。しかし、何週間、何か月と続けることで、速い動きへの慣れに少しずつ差が出てくると考えています。この小さな積み重ねが大切です。
追い込むことが目的ではないため、レストを秒単位で管理する必要はありません。呼吸や脚の状態が整ってから次の1本を始めればよく、歩いてつないでも大丈夫です。
流しで意識したいこと
流しではタイム以上に、フォームと力感を大切にしたいです。
例えば、
・肩に力が入っていないか
・腕が自然に振れているか
・腰が落ちていないか
・接地が身体の前になりすぎていないか
・上半身と下半身が連動しているか
・無理にストライドを広げていないか
などです。
速く走ろうとするのではなく、リラックスしてフォームを整えることを意識しましょう。
意識すべき点はたくさんありますが、難しく考えずリラックスして走ることが大切です。
疲れている日は無理にやらなくていい
私は毎回のジョグ後に流しを入れることをおすすめしますが、絶対に毎回やらなければならないわけではありません。
例えば、
という日は、無理に流しを入れる必要はありません。
流しは本来、速い動きを気持ちよく行う練習です。
疲労した身体で無理にスピードを出してフォームを崩したり、故障につながったりしては意味がありません。
体調や疲労を見ながら調整しましょう。
流しとRペース練習の違い
流しとRペース練習は、目的はかなり近いと考えています。
どちらも主な効果は、
となります。
ただし、それぞれやり方に特徴があります。
流し
Rペース練習
流し=日常的な軽いRペース刺激というイメージです。
本格的にRペース練習を行わない時期でも、流しだけは継続しておく。これによって速い動きを失わないようにします。
Rペースの練習方法については別記事でまとめています。
フルマラソンを目指すランナーにも流しは重要
速い動きの練習は、3000mや5000mなど短い距離を走るランナー向けの練習に感じるかもしれません。
しかし私は、フルマラソンを目標にしている市民ランナーにも非常に重要だと考えています。
フルマラソンは持久力が中心の種目です。
そのため、ジョグ、距離走、ロング走、マラソンペース走と、どうしても持久力側の練習が多くなります。
そこで、ジョグ後に流しを入れることで、速い動きへの刺激を取り入れます。
そうすると、持久力を作りながら、スピードの動きも維持できるようになります。
私は、フルマラソンのタイムを伸ばすためにも、レースペースに対するスピードの余裕は重要だと考えています。
その意味でも、流しは継続して実施することは非常に有効です。
流しは「小さな積み重ね」
流しは、一回やっただけで急に速くなる練習ではありません。
ジョグのたびに実施すると、速い動きを行った回数はかなり増えます。
しかも大きな疲労を残さずに行えます。
私はこういう、小さな刺激を継続して積み重ねることが、長期的な走力向上では非常に重要だと考えています。
まとめ|ジョグ後の流しで速い動き取り入れる
今回は、練習後に行う流しの重要性について紹介しました。
私が考える流しは、Rペース付近を目安に50〜200m程度を走る短い疾走です。
主なメリットは3つです。
①神経系への刺激
身体を速く動かす感覚を維持します。
②スピード感覚の向上
ジョグ中心でも、速い動きを体に取り入れます。
③フォーム改善・ランニングエコノミー向上
力まず速く走ることで、効率の良い動きを身につけます。
やり方はシンプルです。
ジョグ終了後に、Rペース付近で50〜200mはしります。本数は2〜5本程度です。
そして何より大切なのは、全力で走らないことです。
速く走ることよりも、リラックスした状態で速い動きを行うことを意識します。
ジョグで持久力を作りながら、最後に少しだけ速い動きを入れる。
非常に小さな練習ですが、私はこの積み重ねが、3000mからフルマラソンまで幅広い距離の走力向上につながると考えています。
毎日のジョグをただ終えるのではなく、最後に2〜5本だけ、速い刺激を体に入れる。
ぜひ普段の練習に取り入れてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
関連記事
・市民ランナーの年間スケジュール フルマラソンに向けた1年の練習計画
・3000mレースの練習方法|自己ベストを狙うための具体メニューと期間の考え方
・サブスリー再挑戦中に使ってるアイテム7選(シューズ・ガーミン)


コメント