フルマラソンでサブエガを達成するには、2時間49分59秒以内でゴールする必要があります。
2時間50分00秒の平均ペースは4分01秒74/kmで、ランニングウォッチでは4分02秒/kmと表示されます。しかし、実際のレースでは給水所、混雑、GPSの誤差によって走行距離が長くなることがあります。
そのため、レース本番では4分00秒/km前後を基準にします。集団の流れやコースの起伏によって、一時的に3分55秒/km前後へ上がっても、慌てず走れる余裕も必要です。
なお、レース終盤の失速を見越して3分55秒/kmで意図的に巡航する場合は、VDOT59.3相当のスピードと、そのペースを長い距離で維持する持久力が必要です。
サブエガの意味や難易度、必要ペースを詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
サブエガに必要なのは、マラソンペース走だけではありません。主に次の3つの能力が必要です。
この記事では、サブエガ達成に必要な練習メニューと、1週間の組み立て方を解説します。
サブエガに必要な練習メニュー
練習は次の5つを軸にします。
- ゆっくりジョグ
- 中強度走
- インターバル走
- 閾値走
- 距離走・マラソンペース走
フルマラソン2時間50分00秒に対応するVDOTは57.3です。各練習ペースは次のとおりです。
| 種類 | VDOT57.3の設定ペース |
|---|---|
| Eペース | 4分35秒~5分04秒/km |
| Mペース | 4分02秒/km |
| Tペース | 3分49秒/km |
| Iペース | 3分30秒/km |
| Rペース | 3分15秒/km |
ただし、これはサブエガ相当の走力に到達したランナーの設定です。まだVDOT57.3に届いていない場合は、現在の自己ベストから算出したVDOTを基準にして練習ペースを設定してください。
目標のVDOT57.3で無理に練習すると、オーバーワークとなりケガをしたり疲労がたまり、練習を継続できなくなる可能性があります。
サブエガとVDOTの関係や、各練習ペースの考え方は次の記事で解説しています。
また、現在の走力を判断するときは、3000m、5000m、10km、ハーフの自己ベストも参考になります。
ゆっくりジョグで基礎を作る
サブエガを目指す場合でも、練習の中心はジョグです。
ジョグには、有酸素能力を高め、走行距離を確保しながらポイント練習の疲労を抜く役割があります。
VDOT57.3のEペースは4分35秒から5分04秒/kmですが、疲労が強い日はさらに落として構いません。
ジョグの日まで無理に速く走ると、閾値走や距離走の質が落ちます。重要な練習を継続するためにも、余裕を持って走ります。
ゆっくりジョグの練習方法や効果については別記事でまとめています。
中強度走でスピード持久力の土台を作る
中強度走は、ジョグより速く、閾値走より余裕のあるペースで行います。
Eペースより速く走り、楽ではありませんが翌日に強い疲労を残さない程度の強度です。
サブエガを狙える走力へ近づいた段階では、4分10秒〜4分40秒/kmで30分〜1時間が一つの目安です。ただし、4分10秒/kmで翌日に疲労が残る場合はペースを落とし、現在の走力に合わせて調整します。
中強度走を継続すると、追い込み過ぎずに速めのペースで走る時間を確保できます。中強度走で土台を作っておくことで、閾値走やマラソンペース走へ移行しやすくなります。
中強度走の練習方法や効果については別記事でまとめています。

私自身も、ふくい桜マラソンでのサブエガを目標に、中強度走を取り入れています。2026年9月は8kmの中強度走を6回実施し、ペースと心拍数の変化を記録しました。
インターバル走でスピードを高める
サブエガを目指すには、レース中に一時的に3分50秒台/kmへ上がっても慌てずに呼吸やフォームを整えられるスピードが必要です。
インターバル走では5000m前後のレースペースを使い、心肺機能とスピードを高めます。
VDOT57.3のIペースは3分30秒/kmです。
ただし、フルマラソンでは中強度走や距離走の方が優先順位は高くなります。インターバル走は毎週必須ではなく、スピード不足を補うために取り入れます。
インターバルの練習方法は別記事でまとめています。
閾値走でスピード持久力を高めMペースへの余裕を作る
閾値走は、速いペースを維持する能力を高める練習です。
VDOT57.3のTペースは3分49秒/kmです。このペースで一定時間走れるようになれば、サブエガのMペースである4分02秒/kmに余裕を持つことができます。
分割する場合は、つなぎを短いジョグにして、合計20~30分程度走ります。
設定を超えて速く走るより、最後までペースとフォームを維持し、余力を残して終えることを大切にしましょう。
閾値走の練習方法は別記事でまとめています。
分割した閾値走であるクルーズインターバルについても別記事でまとめています。
距離走で30km以降の脚を作る
短い距離のタイムが速くても、30km以降の距離に対応できなければサブエガは達成できません。
距離走では、長時間走り続ける持久力と、疲労した状態でもフォームを維持する能力を鍛えます。
Mペースで30km走る必要はありません。通常は余裕のあるペースで行い、本番が近づいたらレースペース+10~15秒(4分10秒~15秒/km)などレースペースから少し落としたペースの距離走を行い本番への再現性を高めていきましょう。
5000mや10kmのタイムは足りているのにハーフやフルになるとVDOTが下がる人は、インターバル走より距離走を優先し距離耐性を身につけるようにしましょう。
距離走では、走るペースや距離だけでなく、フルマラソン本番を想定した補給も試しておきます。
補給ジェルを摂取する距離、味、開封方法、胃腸との相性は、本番で初めて使用しても分かりません。私はフルマラソンでアミノサウルスジェルを使用しました。実際に感じた飲みやすさや携帯性は、次の記事で紹介しています。
フルマラソンでは、補給ジェルをどこへ収納するかも事前に確認しておきます。
私は2XUのMCSランコンプショーツの後部ポケットへジェルを入れて走りました。ジェルを入れた状態でも揺れは気になりませんでした。
2XUの着圧、ズレにくさ、ポケットの収納力については、次の記事で紹介しています。
マラソンペース走で本番の感覚を覚える
マラソンペース走では、Mペースでリラックスして走れる動きを身につけます。設定タイムを達成するだけでなく、呼吸やフォームに余裕をもって走れるように練習しましょう。
Mペースが普段のジョグより速い方は、Mペースで30km走をする必要はありません。10kmから始め、余裕を持って走れたら距離を延ばしましょう。レベルにもよりますが、最終段階としてレースペースでハーフまで走れたら練習としては十分合格です。
サブエガを目指す1週間の練習例
| 曜日 | 練習内容 |
|---|---|
| 月 | 休み |
| 火 | ジョグ |
| 水 | 閾値走 |
| 木 | ジョグ |
| 金 | ジョグ |
| 土 | 距離走またはインターバル走 |
| 日 | ジョグまたはロングジョグ |
土曜日に距離走を行う週は、インターバル走を入れません。インターバル走を行う週は、日曜日をロングジョグにすることで持久力を補います。
水曜日の閾値走と土曜日のポイント練習の間に、ジョグを2日入れて回復させる構成です。
疲労が強い場合は、日曜日のロングジョグを短いジョグまたは休養に変更します。
ポイント練習や距離走を継続するには、練習後の回復も重要です。
私は、外せないポイント練習やレースの前後にアミノバイタルを使用しています。実際に摂取しているタイミングは、次の記事で紹介しています。
まとめ
サブエガ達成に必要な練習は次の5つです。
・ジョグで基礎を作る
・中強度走でスピード持久力の土台を作る
・インターバル走でスピードを高める
・閾値走でスピード持久力を高めMペースへの余裕を作る
・距離走とマラソンペース走で42.195kmに対応する
サブエガは、一つの特別な練習だけで達成できる目標ではありません。
現在のVDOTに合ったペースで練習し、スピードと持久力を段階的に高めます。
練習では目標のVDOTではなく、現在の自己ベストから算出したVDOTを基準にします。記録が伸びた段階で設定ペースを更新し、段階的にVDOT57.3を目指します。
一つの特別な練習に頼るのではなく、スピードと持久力を段階的に高め、30km以降もフォームとペースを維持できる状態を作ることがサブエガ達成につながります。
VDOT57.3は、サブエガに対応する走力の目安です。ただし、短い距離でVDOT57.3に到達しただけではサブエガを達成できません。その走力を42.195kmで発揮するための距離耐性、補給、ペース管理が必要です。
冒頭で説明したとおり、レースでは4分00秒/km前後を基準にします。集団の流れやコースの起伏によって、一時的に3分55秒/km前後へ上がっても慌てず対応できる余裕も必要です。
さらに、終盤のペース低下を見込んで3分55秒/kmで意図的に巡航する場合は、Mペースが3分55秒/kmとなるVDOT59.3を一つの目安にします。そのうえで、距離走やマラソンペース走でも余裕を持って維持できることを確認してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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