フルマラソンでサブ3を達成した後、次の目標としてサブエガを意識するランナーもいると思います。
サブエガとは、フルマラソンを2時間50分未満で完走することです。
サブ3とのタイム差は10分ですが、平均ペースは4分16秒/kmから4分02秒/kmへ上がります。1kmあたりでは14秒の差です。
この記事では、サブ3からサブエガへタイムを縮めるために必要なことを、スピード、持久力、練習内容、レース運びに分けて解説します。
サブ3とサブエガの違い
サブ3とサブエガの違いは次のとおりです。
| 目標 | ゴールタイム | 平均ペース |
|---|---|---|
| サブ3 | 2時間59分59秒以内 | 4分16秒/km |
| サブエガ | 2時間49分59秒以内 | 4分02秒/km |
サブ3は4分15秒/km前後、サブエガは4分00秒/km前後が実戦的な基準になります。
サブ3を達成できるランナーなら、4分00秒/kmで数km走ること自体は難しくないでしょう。
問題は、そのペースを42.195kmにわたって維持できるかです。
サブ3からサブエガへ進むためには、4分00秒/kmで「走れる」状態から、4分00秒/kmでも「長時間維持できる」状態へ変える必要があります。
サブエガの必要ペースや難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
現在の課題がスピードか持久力かを判断する
最初に確認したいのは、自分に不足しているのがスピードなのか、持久力なのかです。
短い距離の記録は速いのに、フルマラソンで毎回大きく失速する場合は、マラソンに必要な持久力が不足している可能性があります。
反対に、フルマラソンでは大きく失速しないものの、5000mや10kmの記録が伸びていない場合は、サブエガペースに対するスピードの余裕が不足しています。
フルマラソン2時間50分00秒に対応するVDOTは57.3です。
| 距離 | 対応タイム |
|---|---|
| 3000m | 10分15秒 |
| 5000m | 17分44秒 |
| 10km | 36分48秒 |
| ハーフ | 1時間21分23秒 |
| フルマラソン | 2時間50分00秒 |
例えば、5000mを17分44秒で走れているのに、ハーフが1時間21分23秒へ届かない場合は、距離が延びるほど走力を発揮できなくなっています。
この場合は、インターバル走を増やして5000mをさらに速くするより、中強度走、ロングジョグ、距離走を増やし持久力を伸ばす方がサブエガ達成につながります。
ハーフではVDOT57.3相当の記録を出せている一方、5000mが17分44秒から大きく離れている場合は、基礎スピードが課題である可能性があります。その場合は、閾値走やインターバル走によって基礎スピードを高める必要があります。
ダニエルズ理論のVDOTについては別記事でまとめています。
サブエガに必要な他の距離のタイムは別記事でまとめています。
4分00秒/kmにスピードの余裕を作る
サブエガを狙うなら、4分00秒/kmというスピードに余裕が必要です。
レースでは、集団の動き、上り下り、向かい風、給水などによって、1kmのラップが3分50秒台に入ることがあります。そのたびに余裕がなくなるようでは、前半から体力を消耗してしまいます。
4分00秒/kmに余裕がないようであれば、閾値走やインターバル走を実施し、スピードを伸ばしていく必要があります。
閾値走では、速いペースを一定時間維持する能力を高めます。毎回限界まで追い込むのではなく、設定ペースを維持したまま終えられる強度で継続します。
インターバル走では、5000m前後に必要なスピードと、速い動きに対応する力を高めます。
4分00秒/kmを維持する持久力を作る
サブ3からサブエガへ進むうえで、より重要になるのが持久力です。
サブ3を達成できても、30km以降に大きく失速している場合は、同じ走り方のまま前半を速くするだけではサブエガを達成するのは難しいです。
中強度走では、ジョグより速く、閾値走より遅い強度で一定時間走ります。追い込み過ぎずに走行時間を確保できるため、マラソンに必要な有酸素能力を伸ばせます。
距離走では、長時間走り続ける脚と、疲労した状態でもフォームを維持する力を作ります。
マラソンペース走は、現在の走力に対応するMペースを基準にします。サブエガを狙える走力へ近づいた段階では、4分00秒/km前後を本番想定ペースとして取り入れます。
終盤のペース低下を見込んで3分55秒/kmで意図的に巡航する場合は、Mペースが3分55秒/kmとなるVDOT59.3相当の走力も一つの目安です。そのうえで、短い距離から始め、呼吸、フォーム、心拍数、翌日の疲労を確認しながら距離を伸ばします。
設定ペースで走れたかだけでなく、終了時にどれだけ余裕が残っていたかが重要です。
私もサブ3達成後、サブエガ挑戦の最初の月に4分00秒/km前後の10kmペース走を行いました。しかし、ラスト2kmでは余裕がなく、4分00秒/kmを42.195km維持するには持久力が不足していることが分かりました。
ジョグを速くし過ぎない
サブエガを目指すからといって、すべての練習を速くする必要はありません。
閾値走、インターバル走、距離走などのポイント練習の負荷が高い分、それ以外の日はジョグで疲労を抜きます。
ジョグまで頑張ると、ポイント練習で設定ペースを維持できなくなり、疲労や故障の原因になります。
大切なのは、一回の練習で力を出し切ることではなく、必要な練習を何週間も継続することです。
一週間の練習に強弱をつける
サブエガを目指す一週間の練習例は、次のとおりです。
| 曜日 | 練習内容 |
|---|---|
| 月 | 休み |
| 火 | ジョグ |
| 水 | 閾値走 |
| 木 | ジョグ |
| 金 | ジョグ |
| 土 | 距離走またはインターバル走 |
| 日 | ジョグまたはロングジョグ |
ポイント練習は、水曜日と土曜日の週2回です。
土曜日に距離走を行った翌日は、疲労に応じて短いジョグへ変更します。決めたメニューを無理にこなすより、その日の状態に合わせて練習を継続する方が重要です。
具体的な練習内容は、次の記事にまとめています。
42.195km全体のペース配分を確認しておく
サブエガの平均ペースは4分02秒/kmですが、GPSの誤差や給水を考えると、実戦では3分55秒から4分00秒/kmを基準にします。
ただし、前半に大きな貯金を作ろうとして、自分の走力を超えたペースで入ると後半の大失速につながります。
前半の数秒を稼ぐことより、30km地点で余力を残すことの方が重要です。
集団を利用すると向かい風の負担を抑えやすく、一定のリズムで走れます。ただし、集団のペースが明らかに速い場合は、無理についていく必要はありません。
サブエガは前半の勢いではなく、42.195km全体のペース配分で決まります。
補給と装備の失敗をなくす
サブ3からサブエガを狙う段階では、補給や装備の小さな失敗もタイムに影響します。
このような問題が生じると余計な集中力と体力を使います。
補給ジェルは距離走で実際に使用し、味、開封方法、摂取するタイミング、胃腸との相性を確認します。私はフルマラソンでアミノサウルスジェルを使用し、18kmでカフェインなし、35kmでカフェイン入りを摂取しました。
シューズ、ランニングウォッチ、タイツなども、本番前の距離走で確認しておきます。
まとめ
サブ3からサブエガへ縮めるために必要なことは、次のとおりです。
・自分の課題がスピードか持久力かを判断する
・4分00秒/kmに対するスピードの余裕を作る
・4分00秒/kmを42.195kmにわたって維持できる持久力を作る
・閾値走やインターバル走、距離走などのポイント練習を組み合わせる
・ジョグを速くし過ぎず、 疲労を抜くジョグも実施する
サブ3とサブエガの差は10分で、計算上は1kmあたり約14秒の短縮です。しかし、すでにサブ3を達成しているランナーが、その14秒を42.195kmにわたって縮めるのは簡単ではありません。4分00秒/kmで短い距離を走れるだけでなく、そのペースを42.195kmにわたって維持できる走力へ変える必要があります。
短い距離のスピードを高めるだけでなく、その走力を42.195kmで発揮するための持久力を作ることが、サブエガ達成への次の一歩です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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・サブエガ達成に必要な練習メニュー|2時間50分切りに向けた組み立て方
・サブエガのペース配分|1km・5kmごとの通過タイム






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